ToDo俯瞰用自作ツール。
実際にこれで管理していくというよりは、自分が欲しているのはどういう機能・レイアウトなのかを知るための実験として作った。
ちなみにTopic ManagerはToDo Managerのレイアウトを踏襲して作っている。(用途は違っている。)
記事
- ツール製作日誌:タスク&スケジュール把握ツール
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今自分に必要なのは「細かくなくていいから全体がわかる形」かつ「一枚の面に整然と配置された状態」だということがわかった。
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動じないために。
ToDo俯瞰用自作ツール。
実際にこれで管理していくというよりは、自分が欲しているのはどういう機能・レイアウトなのかを知るための実験として作った。
ちなみにTopic ManagerはToDo Managerのレイアウトを踏襲して作っている。(用途は違っている。)
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今自分に必要なのは「細かくなくていいから全体がわかる形」かつ「一枚の面に整然と配置された状態」だということがわかった。
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4ヶ月ほど前に、GTD的な「プロジェクト」の名称はどうあるべきかという話題から(それには答えが出ていない)、そもそもタスクといわゆるプロジェクトはどういう関係にあり、どう管理したら良さそうかということを考えた。
その後、自分なりにそれを体現したツールを作ってみた。例によって他の人が使えるように公開しているわけではないのだが、ツールの話を通してコンセプトを言葉にして書いておけたらと思う。
さてツールの外観はこんな感じ。(例として書いてある項目は完全に適当に作ったものなので深く考えないでいただきたく。)
日程トピックに締切日は含まないというのは、締切を扱えないということではなく、個々のToDoに設定することができるので日程として用意する必要がないという意味である。またToDoには締切とは別に目標日を設定することもできる。
以上を踏まえて、画面上の文字色や背景色による意味付けを説明すると以下の通り。なお右上のスケジュール欄の項目はマウスオーバーで日にちを確認できるようにしてある。
ところでトピックやToDoというのは具体的にどういうデータを持つものとして扱われているのか。それを伝えるために編集画面を載せることにする。(スクリーンショット内で編集画面の外が暗くなっているのは、そういうオシャレなプログラムとかではなく単に後から加工しただけ。)
まずトピック。上から順に、トピックの名前、目的の記入欄、親トピック/ToDo指定(複数可)、種類等の選択欄、下位トピック/ToDoの一覧と作成、メモ欄(アウトライナー)となっている。
トピックとToDoの設定切り替えも自由にできるようになっている(前に作ったタスク管理ツールではそうできなかった)。一度ToDoとして色々設定したけどこれToDoじゃなくてトピックとして考えるべきだったわ、となったら右上のラジオボタンで切り替えればいいし、逆も同様にできる。切り替えても締切日等のデータは消えてしまわないようにしてあるので、元に戻すのにも不自由しない。
左上、タイトル横の四角はチェックボックスで、チェックしてデータを保存するとアーカイブ送りになる。データは残るが、画面から表示は消えて見えなくなる。左下の削除ボタンも同様で、画面から消えるが一応データは残る。データベースになっているJSONの中に「アクティブ」「アーカイブ」「トラッシュ」の三つの箱がある状態である。
ついでに自慢(?)すると、現時点で存在しているアクティブなトピックやToDoはうまいこと見出しをつけて加工し、mdファイルとしてLogseq用のフォルダ内に出力するようにしてあるので、(mdファイルを編集してもこのツールに反映されることはないが)他ツールとの間で横断的に情報を利用できるようになっている。
アーカイブしたデータはTopic Manager内では表示されなくなるが、これも別途mdファイルに出力してあるので、これまでやり終えたToDoを確認するのは簡単だ。Topic Managerでは常に今とこれからに意識を向けられるようにし、なんとなくログを眺めるみたいなことにはならないようになっている。(なおconsole.logでデータベースの内容はコンソールに出力しているので、デベロッパーツール上でデータの確認自体はすぐできる。)
このツールの一番の肝は、「目標トピック」という分類を作ったことにあるかもしれない。このツールには「やる必要のあること」だけでなく、「○○したいなあ」「~~な人間になりたいなあ」といった願望も書き込むことができる。背景色で視覚的に区別されているので、実際に遂行しなければならないものとの混在が気になることもない。(並び順も各階層で一番下になるようになっている。)
トピックの下位にはToDoがあってもなくてもいい。つまり、トピックは「ToDoが発生しそうなトピック」でなくてよい。日程トピックについても、「とりあえず把握しておきたいけど実際には行かないかもしれない企画展」のスケジュールを書いておいてもいいのである。
自分の行動を決定するために必要な内容がトピックとして並ぶのが大事なことで、「リストを空にしなきゃ」とか思う必要はない。むしろ、自分の願望を書いておく場でもあることから、空っぽになったら困るのである。トピックリストはタスクリストではないのでたくさん書いてあっていいのだ。
感覚に従ってトピックを作っていくと、しばしば階層は複雑化する。そのせいでToDoが把握できなくなったら困るので、右側の欄でToDoはコンテクストのみに従ってフラットに並ぶようにしてある。こうすることで、自分の中の気持ちや問題意識に沿ってトピックが構造化されることがToDo管理の邪魔になってしまうことのないようにしている。今のところうまく働いている。
あとは緊急・重要・要連絡・連絡待ちのToDoリストと、コンテクストごとのリストを「面」で一覧できるようにしているのも自分の中では重要なポイントだ。
前に作ったタスク管理ツールについての記事(ツール製作日誌:タスク&スケジュール把握ツール)内でも、自分に必要なのは「細かくなくていいから全体がわかる形」かつ「一枚の面に整然と配置された状態」だということを書いたが、それを達成しているかどうかが私にとってはタスク管理ツールの価値の有無に直結している。そして世の中のタスク管理ツールはいまいちそうなっていなくて、カンバンツールもちょっと違う。列にはなっているが面にはなっていないからだろう。
私自身はこれを自作したことで色々と楽になっているが、しかしこのツールはプロジェクトの全体像や自分の内面を俯瞰することを大きな目的としているので、仕事に追われに追われている人を救うための一助になるとは言い難い。「捌く」「こなす」ことを助けられるようには恐らくなっていないのである。
そもそも全体像なんか関係なく目の前に発生するものを次々片付けないといけないような仕事では、トピックを立てるということに意味がないかもしれない。しかし逆に、そういう仕事の助けになるタスク管理ツールなら既に巷に溢れているような気がする。
そして既存のタスク管理ツールがいずれも役に立たないほど多忙ならば、おそらくそれは多忙の度合いが激しすぎるので「ツールに入力する」ということがもうネックになってしまうだろうし、そうなると如何なるツールも力不足になるのではないかと思う。強いて言えば、音声入力で項目をスイスイ作って操作できるタスク管理ツールが存在したら少しは助かるだろうか。つまりは秘書であろう。
多忙過ぎる人を救う手立ては私にはわからないのだが、とりあえず、タスク管理ツールが抱えている「タスクそのもの以外の情報を扱いにくい」という欠点を自分なりに解消し、自分の中にある情報を実現可能性・実現必要性に関係なく書き出せるようになり、そしてそれが「遂行しなければならないこと(いわゆるタスク)」の邪魔にならないように視覚的・位置的に区別されていることで、ごちゃごちゃあるのにごちゃごちゃしていないという形を作ることはできた。
作って使い始めてから一ヶ月以上経っているが、今のところは「ここがネックなんだよなあ」といったことは感じていない。唯一スマホから編集できないのが玉に瑕だが(内容の確認だけなら上述したようにmdファイルを通じて可能)、スマホアプリを作れれば解決するよな~ということを考え始めているので、将来的には解消させられる可能性はある。が、そもそもそんなに欲していないので別にスマホからの編集機能は要らないかもしれない。
ただ気をつけるべきは、全てのToDoがきちんとログとして残ることを期待してしまうことだろう。
Topic Managerに書かずに片付けてしまったことを後から書くのかどうか。アーカイブのチェックを入れるのが遅くなった時に、厳密にいつやったことなのか確かにしようとするのかどうか。
そういうものを必ず正しく書くと決めてしまうと、恐らく「後で書かなきゃ」が溜まり始めてしんどくなって続かなくなる。「Topic Managerのログは別に完璧なものではないが、おおよそこんな感じであったということがわかれば十分だ」というスタンスを守ることが大事だろうと考えている。
前回(タスクとプロジェクトを考える)の最後で「どういうタスク管理ツールがあったら(私個人が)嬉しいだろうか、ということも考えていきたい」と書いた。今考えて設計しているところなのだが、その前に、この話題が出る以前に考えて作ったツールについてちょっと書いておきたい。
例によって自分用のツールなので公開はしておらず、提供していないツールについてこまごま語るのもどうかといつも思っているのだが、私と同じように「自分で作ってみたい人」の役にはいくらか立つだろうかとも思うので、(ここは私が好きに書いていい場所なのだし)細かく書いていこうと思う。
全体像としてはこんな感じ。実際に使っているところなので全面モザイクにせざるを得ず、イメージが湧きづらくなってしまったかもしれないがご容赦いただきたい。(加えて、ちょっと間違えて異様に劣化した状態になってしまった…)
Detail欄は項目の種類によって少し違っているので、ひとつひとつ触れていこうと思う。まずはタスク項目。
次に日程項目。
最後にプロジェクト項目。
ちなみに、一度生成した項目を編集する時には、項目の種類が変わってしまうと困るので項目選択ができないようになっている。(↓表示が薄くなっている部分。)
なお、このツールは今のところ特定のパソコンからしか使えない(データの保存にブラウザのlocalStorageを使っているため)。しかしタスクをパソコンの前以外で確認できないのは困る。ということで、手動の原始的な方法だが、スクリーンショットを撮ってScrapboxに貼っておくことでスマホでも見られるようにすることを思いついた。せめてスクリーンショットを貼りつけるページはクリックひとつで用意できるように、と思って上部にボタンを作ってある。
テキスト情報で出力してもいいのだが、見た目が変わると逆によくわからなくなるので、画像としてそのままの見た目で保存した方が良いと考えた。適宜出力しておけばログにもなるし、テキストではなく絵的に残しておけば、後から見ても意味を解釈し直す必要があまりないのでわかりやすいだろうと思う。
(検索、OPMLダウンロード、Markdownダウンロードのボタンが右上にあるが、これらは「実装しようと思えばできるが面倒なのでとりあえずまあいいか」という感じの未実装要素。)
タスク管理ツールは世の中に数多存在しているし、アウトライナーなどでもタスク管理はできるし、それなのにどうしてわざわざ自分でツールを作ったのか。
一言で言うと「どれも自分に合わないから」なのだが、それならば何がどうなっていれば自分に合うのかというのを見出すのは容易でない。抱えているタスク自体、どういう規模でどういう粒度でどういう頻度でどういう種類のものになるか人それぞれだし、更に物事を頭の中でどう認識してどう把握してどう処理しているのかも人それぞれである。ある程度はパターン化される、ということさえも言ってしまえるものかどうか怪しいところだ。仕事の種類だけならばいくらかパターン化できても、そこに個人の特性を加えると急激に傾向の分類は困難になる気がしている。
ということで、自分は何を求めているのかを自分で知るためにも、自分にとってスムーズな使用感のツールを作るということに取り組もうと考えた。少しずつコーディング能力が上がってきて再現できる挙動が増えた分、「面白そうなことを思いついたから試したい」という娯楽感覚も動機づけとしては大きいが、前々からいずれは「思い通りにタスクを管理するツールの形」を見出したいと思っていた。
そうして作ってみて、今自分に必要なのは「細かくなくていいから全体がわかる形」かつ「一枚の面に整然と配置された状態」だということがわかった。
縦に並べていくだけだと、的確に構造を作れていたとしてもなんとなく「把握できていない」という不安を覚えてどうも駄目らしい(大丈夫な人は普通に大丈夫だと思うのだが)。また、例えばマインドマップや付箋ツールのように自由に配置できる形式、あるいは一枚の紙のあちこちに書いていくという形式は、書き込むには良いが結局何がどの程度あるのかよくわからず、それも結局「把握できていない」ということになってしまう。つまり、リニアではなく、しかし秩序はある状態というのを欲しているようだ。
その結果、目的の異なる三種類の表を上段・中段・下段と配置する形に至った。今のところは納得しているし、現在のライフスタイルではこの配置が最適なのではと思っているのだが、処理しなければならないタスクの質が変わってしまえば使いにくくなるだろうとも推測している。「面」で認識したいという自分の性質は不変でも、対象が変わると形式は変わらざるを得ない。
そういったシステムの柔軟性という意味でも、紙のノートやExcelなど汎用性の高いものを工夫することによって満足できたらよかったのだが、どうも「ぴったりハマっている専用ツール」でないと続かない。なんとなく見たくなくなって、「なんか別のやり方でやりたい」などという気持ちを生じて情報がばらばらになっていく。微妙な我慢に対して飽きるということなのだろうか。ともかく、そうなると自分で自分に発注してオーダーメイドのツールを作るしかないようである。
そういう変に神経質な人間なのに、プログラミングを全くわからなかった状態では「与えられたツールの使い方の工夫」という形でしか努力できず、したがって常に「なんか違う」という不満に悩まされていた。しかしプログラミング(JavaScript)を覚えたことでダイレクトに「自分のためのツール」を作れるようになり、初めてサイズの合った服を着れるようになったような気持ちでいる。作るのは大変だが、それでしか自分を助けられないとなれば頑張れる。
ここまでが前回の記事(タスクとプロジェクトを考える)以前のタスク管理観で考え出したことだが、前回の思索を通して、もう少し違う形のツールを作ってみたいと思い始めたところである。
今回のツールは「プロジェクト」の扱いが緩く、単に大まかな分類として使われている面がある。タスクの質が変わった時に最も影響が出る箇所がおそらくその点で、現状では処理が簡単な分伸縮性がない形になってしまっている。その部分を解消した形式をこれから模索していきたいと思う。